写真

6/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
 という、胸いっぱいの会話をした!……ところまでは良かったのだけれど―― 「ところで、チー」 「なに?」 「いいっちゃいいんだけど、なんでそんな恰好なわけ? なぜにおっさんのように首からタオルひっかけて、上半身ブラいっちょなんだ?」  ヒロに指摘されて、自分がどういう恰好で、この時間、この空間を過ごしていたか、否応なしに振り返ることに……  アー、シンデシマイタイ……。 「ヒロ……」 「ん?……エ?……ちょ!? ちょっと待っ――!?」  あまりのことにその矛先をヒロへと向けて、あたしは乙女の渾身の一撃を躊躇うことなく放つ! 「グハーーーーーーーーーーーッ!?」  向こう側へ吹っ飛んでいくヒロと、それと同時に一枚のタオルが「勘弁してあげて……(涙)」というように、儚げに舞い上がり、そして静かに落ちていった――。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!