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そして、そこからヒロは更に話題を変えて、慰謝料とばかりに執筆の手伝いを求めてきた。
どうも最初から、これが狙いだったみたい(-。-#)。
「――それはヒロが自分で書かなくちゃ意味ないでしょ?」
「共同制作ってことでいいだろ?」
「共著じゃないの?」
「どっちでもいいから頼むよ!」
「ダメ!」
執筆については、あたしはどうしてもヒロに一人で書いて欲しかった。
どんな文章になったとしても、ヒロが一人で書き切ってくれることを願っていたから。
ヒロは飽きっぽい。
でも、何をやらせても才能はある。
だから、今回やりきることで自信をつけて欲しかった。
「じゃあ、最終的には読んでもらうとして、とりあえず今は、アドバイザー的なのはどうだ?」
アドバイザー……『それくらいならいいのかな?』と思って、少しだけだからね、と念を押して引き受けた。
「じゃあ、早速だけど……」
「うん」
「恋愛ってなんだ?」
ヒロ、やっぱり……。
あたしが返答に困っていると、「チー……」と、目を細くして、あたしを何故か疑うような様子で見る。
「なによ?」
「もしかしてお前、恋愛知らないのか?」
「!? あんたと一緒にしないでよね!」
あたしは物心ついた時から大恋愛してるわよ!……絶対言えないけど(汗)。
「じゃー答えろよ」
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