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ソワソワする気持ちを落ち着かせたくて、何を着て行こう?と、クローゼットから洋服を引っ張り出して、いざ! ファッションショーの幕開けとなった――。
そして約束の時間。
あたしは五分前から下駄箱で待機中。
『来た♪』
あたしは、何度もドアスコープから外を覗き見ていた。
ヒロは自分の家の鍵を閉めると、少し寒そうに肩を縮めて、表の道を左右確認しながらパーカーのポケットに手を突っ込んでピョン!ピョン!と、ちょっとデキの悪いウサギさんのようにウチの玄関まで辿り着く。
「全部見えてるよー♪(笑)」
ただ、一緒に食事に行くだけなのに――、
ただ、ヒロが迎えに来てくれるというだけのことなのに――。
いつでも好きな時に会えるのに……でも、その一瞬一瞬が、こんなにもあたしのことをときめかせてくれる。
『ヒロ、ありがとう』
その言葉の代わりに、あたしは玄関のドアを勢いよく開けて、ヒロに「よー♪(!)」と、目一杯、気持ちを込めて投げかけた!
するとヒロも「よー♪(!)」と、まるで「久しぶり!」みたいな感じで返してくれる!
目がハートになってないか、心配――♪
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