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【先日の話に出てきてくれて助かった】という表情をヒロはしている(苦笑)。
「美咲ちゃんも、覚えてるよねぇ~?」
冷やかし半分と、美咲ちゃんの心境知りたさ半分で聞いてみた。
「!? ぅ…ぅん……」
「……美咲ちゃん、学校はどう?」
あたしは直ぐに話題を変えた。
美咲ちゃんの気持ちは、あの頃のまま……ううん、それ以上に強い想いを持っていると分かったから。
「ぅ、うん。勉強は大変だけど、友達も直ぐに出来たし、楽しいよ♪」
「進学校だもんね」
「千尋ちゃんも入学すればよかったのに……」
「ゎ!? 私は、家から近い方がいいから……」
ヒロと同じ高校へ行きたかったなんて、絶対言えない――。
そのあと、美咲ちゃんと二人でガールズトークで盛り上がっていると、ヒロの視線を感じた。
【あたしに】ではなく、美咲ちゃんに対して。
「……なによ?」
あたしは堪らず、ヒロに声をかける。
「ん? 小島ってかわいい顔してんだなと思って。なんなら、めがねやめてコンタクトにでもしたらいいんじゃねーの?」
あたしの心に、ヒビが入る音が聴こえてきた。
『!?』
美咲ちゃんは――と見ると、あたしとは対照的な音を確かめるように聴いていた。
『ダメ……』
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