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進まないで欲しかった、止まって欲しかった、終わって欲しかった時間が、正確に時を刻み始めた――。
あたしは俯き、やり場のない思いに囚われる。
なんとか二人の時間を留めたくて、シューズの裏で床をキュッと擦り付けてみた……。
「あ、小島悪い。変なこと言って」と、あたしがそんなことをしていたら、ヒロが美咲ちゃんに謝り始めた。
「小島にとって、話にくい相手なんだろうし、嫌ってるかもしれないのに悪かった。ごめん」
『ヒロ……違うよ』
あたしは胸が締め付けられていくのを感じながら、ヒロのその言葉を心の中で否定した。
すると――
「そんなことない!」
『!?』
あたしの心の中の否定より、美咲ちゃんが断然つよく否定する!
あたしが丁度、気持ちだけでもその場から逃げ出そうと、外の景色に目を移した時だった。
美咲ちゃんは、バンッ!と両手でテーブルを叩きつけながら立ち上がり、仰け反るヒロに詰め寄った。
あたしとヒロは、美咲ちゃんの思いがけない行動とその迫力に圧倒されてしまった…………って、アレ? もしかして、美咲ちゃん本人が、一番ビックリしてたりする?……(汗)。
美咲ちゃんは、そのまま動かない……
ぁ!? 小刻みに震え出した!
ぉ!? 顔が真っ赤になった!
わ!? 頭から湯気デテルヨッ!
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