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『はぁ~……ガンバロ』
そう思いながら、チラッと後ろの助っ人の二人を確認すると、お互いの指を絡め合いながら既に震え上がっている。
『あたし、いつのまにそんなに恐れられていたのかしら?(苦笑)』
「三谷君のことはよく知らないし、今、誰かとお付き合いをするつもりはないよ」
あたしはこの子に落ち着いてもうらおうと、できるだけ冷静に話しかけた。
『……だって、相手がなんにも気付いてくれないんだもん』というところは当然、伝えずに。
その子は、あたしのその態度が返って癪に障ったようで、「桜井とデキてるくせに、付き合うつもりはないとかよくいうわよ! あんな男の通い妻やってるくせに白々しい! 一体、桜井なんかのどこがいいのよ!? 母親がいないからって、母性本能でもくすぐられた!? あんなの三谷君の足元にも及ばないし、良いとこなんて1つもないじゃない!」
あたしの頭の中で、何かが豪快にブチッ!!!と、束となってキレる音が聞こえてきた。
『冷静に』と思ったぶんだけ、あたしにとっての放送禁止用語を連発されたのが許せない――!
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