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「あたしがあんた達にどう言われようと一向に構わない! だけどね、今回のことにヒロは全く関係ない! 通い妻とか、なんとか言いたいなら好きに言えばいいよ! でもね、人様の家庭の事情を知りもしないで、土足で上がり込むんじゃあないわよっ! ヒロの迷惑になるようなことしたら、あんた達のこと、絶対に許さない! 高校生活これからまだ2年ぐらいあるんだから、しっかりと覚悟しておきなさいよね! いいえっ! 卒業しても安心して暮らしたかったら、死ぬまで覚えておきなさいよねっ!」
あたしは怒りのあまり、肩で息をする。
すると気付けば、青ざめた三人の女子は、キャーーーーッ!という悲鳴を上げながら、走り去って行ってしまった。
「…………」
今更だけど、『やってしまった――』
言いたいことは変わらない。
でも、相手だってやっとの思いであたしに言いに来たのに、あれはない。
後悔、先に立たず……はぁ~。
――!
あたしは直ぐに教室へ戻ってヒロを探す!
『居た!』
見ると、ヒロは席に座って男子達と身振り手振りを交えて談笑していた。
あたしはそんなヒロ達のことも考えずにドシ!ドシ!と床を踏み鳴らし「ヒロ! 今日カラオケ行くからね!」と、それだけを伝えて回れ右をした。
ヒロはキョトンとしていたけれど、直ぐに察してくれて「おー!」と、あたしの背中へ温かく力強い返事をくれる。
『甘えっぱなし……』
あたしはヒロの返事をギュッ!と離さないように抱き留めながら席に着くと、机に両手を置き、そこに額を押し付けて、再び、「はぁーー~~……」と、今度は声に出して深い溜息を机に向けて吐き出した。
『なーにが!?、「ヒロくんは、チーがまもるからね!」よ!』
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