約束

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「アレは仕方ないだろ!? あんなに難しいなんて思わなかったんだから!?」  まだ言うか(^^;)……よし! 少し懲らしめてやろう! 「で、その前はなんだっけ?」  狼狽えるヒロ(笑)。 「その前の前は?」  あたしは漫画のページを(めく)りつつ、耳と口だけはヒロに貸してあげた。 「小説家だって、結局おんなじこと言って終わるんだろね~」 「小説だったらオレでも書ける!」 「ちょっと!? ツバ飛ばさないでよ!」 「わっ、ワリィ……今回はできそうな気がするんだよ!」 「もぅ……そもそも動悸が不純なのよ。小説家が楽なわけないでしょ? ずーっと考えて文字にして、1日中、机とくっついてるようなもんなんじゃないの? それで売れなかったらショックでしょ? ヒロにそれを受け入れるだけの根性があるわけないじゃん」 【これでヒロは完全に屈しただろう】……そう思っていた。  ところが、「いやっ! あ…る……とはいわないが!? これからつけてく! 動悸が不純でも原動力には変わらん!」  ……ちょっとだけ驚いた。  ヒロがここまで言うことが、今までなかったから。  大抵、あたしが少し強く言えばそれで済んできた。  早く起きて、部屋片付けて、食べ残しは駄目……等々。     
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