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突然、目の前に羊が現れた。 羊のような風貌というか、本人曰く、彼自身は羊の神様なのだという。羊の神は、黒いスーツを着ていて、2本の脚で立っていた。脚の関節は4足動物のようにくるぶしまでが短く、長いすねをしていた。不気味な姿ではあるが、顔だけは明らかに羊なのだ。スーツの袖からすこしだけ、羊毛がはみ出ていた。スーツの中身はきっともふもふに違いないのだ。 「私は、羊の神様だ。」低い男性のような声だった。 続けて彼はこう言った。 「人間というものは、禿げることを気にしているらしい。どうして、そんなことをきにしているのだ。我々羊は、人間たちに毛をむしられ続けているというのに」 ふっと目が覚める。夢だったことはすぐに分かった。ただ腹が立った。 なぜなら、ぼくの快眠を変な見た目の羊なんぞに邪魔をされたからだ。 まだまだ21歳のぼくが禿げるわけないだろ。まあそんなことはどうでも良くて、寝たりないので、もう2度寝をした。
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