~昔話~

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藁葺き屋根の 祖母の家は、中に入ると 広い土間があり、石臼や 農作業の道具が 沢山置かれていた。 台所には 水が溜めてあり、踏み段を 上がって障子を開けると、暖炉があった。 天井からは ザルがぶら下がっていて、中には 宇和島のじゃこ天や 蒲鉾や 干物などが入っていた。 祖母は 私をとても可愛がってくれた。 手作りの 芋飴を 割り箸に絡めて 食べさせてくれた。 少し薄くなった前髪を クシで後ろにとかせて、 にっこり笑った祖母は、私の髪も 優しくといて結んでくれた。
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