収穫祭で一騒動です!①

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 三人が一緒にいるときなどは、ひっきりなしに三人の間を移動し、その肩や頭に留まっていた。 「あ、もしかして……」  と、フラン。 「フランはわかってくれるよね!?」  エリナは必死にすがりつく。 「エリナ、もしかして振る舞い酒でも飲んじゃったじゃ……。だからヘンな夢を見ちゃったのかも」 「なるほど。そのセンは確かにあるわね……。エリナ、水よ。酔っ払ってしまったときは、水をたくさん飲むんだってルナが言ってたわ」 「ち~が~う~! わたしお酒なんか飲んでないもん!」 「でも、エリナ。エリナを見つけたところの周りには、そんな天幕はなかったし、こうやって見回っていても、やっぱり深い藍色の天幕なんて見当たらないじゃない」 「うぅ……そうかもしれないけど……」  カナーンのごもっともな論に、エリナは口を尖らせた。  だが、そうしている間にも占い師との記憶は薄れていってしまい、エリナ自身も、段々と自信を失ってきてしまった。 「あ、そういえば」 「エリナ、なにか思い出せた?」  フランがエリナの顔を覗きこむ。 「なんでその時、気がつかなかったんだろう……。その占い師さん、別れ際にわたしのことを『魔王の娘』って呼んでた……」 「「!?」」  エリナのその言葉に、フランとカナーンはギョッとした顔を見せた。 「ような気がする」     
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