遠距離恋愛

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遠距離恋愛

ピリリリリ!ピリリリリ! 夜、私のスマホが鳴った。 表示を見てみると、彼からの電話だった。 「もしもし?」 「あ、元気?」 彼は今、遠くへ単身赴任している。 中々会えない距離。 だから、いつも電話の時はこうして元気かどうか聞いてきてくれる。 「うん、元気だよ」 「そうか」 「いっくんは?」 いっくん、と言うのは彼のことだ。 「元気だよ」 「本当に?」 「それより、今日、そっちは雨降ってる?」 「何で?今部屋にいるから分からないよ」 「何となく。確認してみてよ」 「何でよ…」 そう文句を言いながらも、カーテンを開けて外を見た。 「降ってないよ」 「知らないうちに降らなかった?地面が濡れてないか確認してみてよ」 「だから、何でそこをそんなに気にするのよ…」 窓も開け、下を覗き混むと、アパートの下に人が立っているのが見えた。 その人物と目が合う。 あれってー…。 私は玄関を飛び出し、アパートの階段を駆け降りた。 そして、アパートの下にいた人物に飛び付いた。 「いっくん!!」 「サプライズ、大成功!ただいま!!」 そう言っていっくんは強く抱き締めてくれた。 「おかえり…!」 私たちは暫くの間、そのまま抱き締めあっていた。 ******************************************* 白玉杏蜜さんからお題を戴きました!( *´艸`) テーマは「遠距離恋愛」。 お題をありがとうございます!
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