メロンクリームソーダの背徳

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なんでそんなことを思い出したかといえば、あの写真におさめられたメロンクリームソーダの記憶が、よく似ていたからだ。 そう、この恋に。 彼、ユイトは幼稚園の年長組で同じクラスになった。私からしたら、気がついたらそこにいた男の子の一人だったのだけれど。 「ふーん。アヤちゃんっていうんだ。かわいいね」 名前を尋ねられて答えると、不思議な言葉がついてきた。その日から私はかわいいアヤちゃんになった。 ユイトは、あのメロンクリームソーダのように、初対面から私に甘かった。 「アヤちゃん」 「なあに?」 「ボク、アヤちゃんのそういうトコ好きだな」 「え、どこ?」 「いいよ、わかんなくて」 「私、今何かした?」 「アヤちゃん」 ユイトは耳もとでささやいた。 「ほえ?」 「大好きだよ」 「!」 ユイトから示されるストレートな好意に、私はどんどん慣れ親しんでいった。
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