メロンクリームソーダの背徳

遊園地の思い出

飲み終わってしまうのがもったいなくて、ストローでチビチビ飲んでいると、上のバニラアイスの白が溶けて下のメロンソーダの緑色を濁らせてしまう。

そう。メロンクリームソーダは時限爆弾なのだ。

あわてて細いスプーンで柔らかくなったアイスを食べながらバニラ味の混ざり始めたソーダを飲む。

ギュンギュン飲む。
秒針に追いかけられる悪夢。

口の中が甘さでいっぱいになる。
歯が全部虫歯になるかもしれないくらいの甘さ。

ギトギトに甘い幸福感に埋めつくされる。

やがて夢のような時間は過ぎ、ストローはグラスの底の魔法のソーダを吸いつくす。