”歩かない”と式の手遅れ 中盤

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「赤崎君の特殊(とくしゅ)な事情を知ってるよ。その反応はどうやら私の推測が正しいってことかな。」 俺が皆勤賞を取ったのは中二中三の時のみ、中一の頃や小学生時代に皆勤賞を取ったことはない。 つまり、俺が中一の頃に皆勤賞をとることになったきっかけは起きたのだ。 いや、正確に言うなら中一の頃だけの出来事ではなかったと思う。 俺が何か体調不良を起こして休んだ時、必ずではないが高確率でその現象が起きた。 「赤崎君は中学一年生の頃、一度だけインフルエンザで欠席してましたよね?」 「なんでそんな事知ってるんだよ、、、」 こっちが有村さんのことを全く知らなかったからか、俺のことをよく知る有村さんが少し不気味だった。 「、、、ここからもまだ話続くと思うけど、場所を変えてもいいかな?」 ここは階段。 そろそろ本格的に生徒が通り始めるはずだ。 「まあ、こんな所で話してちゃ邪魔だよな。どこか話せる所ある?」 部活動見学は遅れて行っても特に問題はない。 第一俺のあの事情についての話。 (まご)うことなき最優先事項(さいゆうせんじこう)だ。 ということで俺は有村さんの提案に乗った。 「それじゃあ、国語準備室(こくごじゅんびしつ)まで付いてきてください。」 「そこ(かぎ)()かってるんじゃない?」 「実は先生に手伝いを頼まれてたから鍵は持ってるの。」
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