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俺は顔を熱くして半歩後ろに退いた。
「青中で俺の学年に苗字がア行の生徒、俺しかいないって聞いてたんだけど。勘違いかな?」
疑うようであまり言いたくはなかったがやはりどうしても気になって聞いてしまった。
「え、赤崎君と私で、確かに少ないけど二人いるって、私は聞いてたよ?」
「あれ、そうなの?」
「うん。多分きっと赤崎君の聞き間違いか勘違いだよ。私はちゃんと、三年間青中に通ってたよ。」
有村さんはそう断言した。
「そっか、じゃあやっぱ俺の勘違いか。」
「、、、それにしても、ア行の生徒が二人って十分すごいことだと思うよ。
井上、上杉、榎本、小田沢、なんて苗字もいなかったよね。」
「ああ確かに。、、その代わり渡辺と室井って生徒が三十人くらいいたよな。」
「あーいたいた。私の友達も4人ぐらい室井だったよ。」
国語準備室目の前までこの話題が続いた。
、、、俺はてっきり、紫高校に志願した青中生が俺だけだと思っていた。
受験の時から今に至るまで、しばしば孤独を感じていた。
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