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「いけー!としきー!」
保護者陣が叫んでいました。
名前、としきって言うんだ、、、
赤崎君を最初に認識したのはこのときです。
としき?としき、、、、
不思議と彼の名前が頭の中で繰り返し呼び出されました。
そして突然、誰かに乗り移られたかのように思考の主導権を失います。
ここからが不思議な話です。
頭のどこからか噴水のように妄想のようなものが湧き出す。
それは無意識だけど意識はあり、そのことに違和感を感じるけど気づけない。まるで夢の中にいるような感覚でした。
その後、気づかず家に帰っていて、私は裏紙に計算式を無意識に書いていました。
そして出来上がったのは見た目がすごくきれいで簡潔な数式。
しかしその数式はあらゆる姿に化けてこの世界を説明しようとします。
それは宇宙のことだったり銀河だったり、または素数や運動や原子のことだったり。
大きいものから小さいもの、難しいことから簡単なものまで、やり方次第では無限に式を変形できる、まさにこれぞ神の数式、といったものでした。
、、、あれ、この数式、、、
この数式は無限の姿を持つ一方で、一つの重要な事実をわかりやすく訴えている。
何度も何度も、その事実を確かめます。
しかし、何度確認しても、数式に誤りは見つかりません。
どうやらこの数式は正直者だそうです。
事実: ある人間がいなければ、この数式も世界も成り立たない。
そしてその後、私は意識を失いそのまま深い眠りに入ってしまいます。
次の日の朝、起きたときには40度超えの高熱が出てました。
しかし、そんなことがどうでもいいくらいに私はあることで焦っていました。
前日の記憶がほとんどありません。
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