3人が本棚に入れています
本棚に追加
今の自分じゃ何も解き明かせないと悟り、父や本などから考え方や知識を得ようとしました。
しかし、父は色々と忙しい身分で、私のおかしな話にまともに取り合おうとしません。
結局本からある程度のことを学びましたが、特に参考にはなりませんでした。
まあ、そう簡単に手がかりを掴める訳がありませんね。
私は一度、例の一文の証明を諦めて、としきという人物についてよく知ろうと作戦を変えました。
思えば私はとしきという人物について、サッカー部に所属しているという情報位しか持ってません。
これのみで数式を完成させるなんて、一体何を考えてたのか。
あの時の自分に聞きたいです。
教室を見て回ったところ彼は1組の生徒で、フルネームは赤崎歴利と言うそうです。
それから私は彼のことを観察し始めました。
あ、観察と言っても必要最低限ですよ?
変態的に調べまくったわけではありません。
行くところまで行った時で、彼が家で排泄をする時間帯を調べたぐらいです。
なんの大したことでもありません。ね?
それから一か月ほど経った頃、彼はインフルエンザにかかって学校を休みました。
いまだに何の発見もないままです。
まだ、くじけてはいません。
しかし、赤崎君を拘束して体のあちこちを調べまくろうかと、思考がますますサイコパスへ傾いたことに不安を感じていました。
このまま進展がなければ、またトランス状態に陥って行為に及んでしまうかもしれません。
自分に対する恐怖や焦りや不安が積もるばかり。
赤崎君は一週間ほど学校にいません。
すると必然的に自分と向き合う時間が増えるため、その一週間は特にイドとエゴの波が激しくなり、葛藤に葛藤を重ねます。
結論は、まずお友達になろうということで収まりました。
案外自分が社交的だと知って拍子抜けでした。
予定通り、赤崎君は一週間して再び登校し始めました。
どう接触しようか、、、。
私はなぜか結束バンドをポケットに入れて赤崎君のクラスに接近します。
いまだに気持ちはイドとエゴの潮目にいたようです。
最初のコメントを投稿しよう!