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「最後のデバッグ、僕にやらせてくれないか?」
デバッグとはバグを見つける作業のことだ。
いつもジャンケンで勝った人がデバッグをすると決めていたが、僕は一度も勝てたことがない。
返事を返したのはサブリーダーの井上だった。
「このゲームを考えたのはリーダーですから、最後を締めくくるのは当然だと思いますよ。」
周りからの異議はなかった。
「ありがとう。これを作れたのは皆のおかげだよ。」
今までのことを振り返り、泣く子もいた。
それほど有意義な時間だったのだ。
「さて、最後の一仕事だ。」
目をこすって気合を入れた。
これが終わったら打ち上げでも提案しよう。
・・・なぜだろう。
デバッグ部屋へ向かうにつれて、足取りが以上に重く感じてくる。
なんだかとても不安だ。
この感じはまるで、不登校の生徒が久しぶりに登校するその道中、または先生の説教で、場所を職員室から誰もいない多目的室に移される時の焦りと不安に似ていた。
別に不安要素があるわけでもない。
ただいつも、皆がやってるみたいにデバッグをして報告と感想を述べればいいだけ。
問題は起きないと思う。
しかし、この胸騒ぎは何故なのだろう。
デバッグ部屋へ入ると幼馴染の”たけひろ”がすでに準備をしていた。
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