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「最後のデバッガーは歴利か。てかおまえ初めてじゃない?」
「ああ、じゃんけんに一度も勝ち残らなかったからね。」
試しにこの前、千回近くにわたって行われたじゃんけんで一度も勝ち残れない確立を計算してみたら、天文学的な低確率がたたき出された。
「でも最後は勝ったんだろ?」
「いや、じゃんけんはしなかったよ。真剣に頼んで、デバッグをする許可をもらった。」
「はは、弱気だな。これまで色々なことに勝負してきたのに、最後で曲げちゃったのかよ。」
「勘弁してほしいなあ、別に僕は勝負師じゃないし、最後ぐらい無難にいきたかったんだよ。」
「まあいいさ、それじゃお楽しみのデバッグ始めるぞ。」
たけひろと会話するだけで緊張は多少ほぐされた。
しかし、あの不安は消えない。
「お前に必要はないと思うが、一応軽く説明しておくぞ。
まず、記憶について。
こっちの世界の記憶はゲームの中でも引き継がれる。
しかし、ゲームの世界でプレイヤーが混乱やパニックを起こすことを防止するため、ゲームの中ではこっちの記憶より、ゲームの主人公の記憶のほうが少し強くなるようになっている。
次にゲーム中のトラブルについて。
長いから省略すると、過度なストレスをプレイヤーが感じた場合、ゲームを強制的に終了させられる。
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