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違う世界で違う人生を歩み、プレイヤーを楽しませながら経験を積めるというのがこのゲームの売りだったのだが、記憶を消されてはただの時間を無駄にする装置になってしまう。
「残念ながら、五億年ボタンみたいなゲームになっちゃったな。」
「いやーまじで、、、五億年ボタンのほうがまだましだよ。五億年過ごしてる間は時間進んでないし、金も出るじゃん。これじゃただの時間つぶしじゃん。」
人類の進化のカギを握るような偉大な発明だと思っていたがふたを開ければこのありさまか。
「記録は残ってもその時の感情や記憶は残らんから、万が一、修正したい場所を見つけたときはその場で現世交信コマンドを使ってコメント残してくれ。」
「おっけ。、、ま、思ってたのと違くとも、この作品は世紀の発明だ。開き直って始めるか。」
「そそ、切り替えろ切り替えろ。自信持とうぜ。」
たとえこのゲームが人を駄目にしてしまうような物だとしても、この発明は確実に人類を変える。
悔いはない。やり切ってとてもすがすがしい。
最後ぐらい楽しむか。
「そんじゃ、どんな世界がいい?」
「そうだなー。ギャルゲーやってみたいな。」
「主人公は男子高校生な。フラグは自分でたててくれ。あいにくこっちで決め
れるのは主人公のおおまかな設定だけで、都合のいい女子とか環境は量子AIの気分次第だ。」
「僕は生みの親だし、きっといい人生をセットしてくれるだろう。」
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