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「…ありがとうございます…」
私は再び腰を折って、礼を言った。
言いながら、面と向かって、
「…キレイな方ね…」
と、言われたのは、何年ぶりだろうと、内心考えた。
若い頃=学生時代から、何度となく、初対面の人間に男女を問わず、言われた言葉だが、いつしか、その言葉も言われなくなった…
それを思い出した。
「…今日は、正造が、付き合ってる女性がいて、私たちに紹介したいと言うものだから、どんな女性を連れて来るのかと、楽しみに家内と二人で、待っていたんです…それが、こんなキレイなお嬢さんを…」
米倉の父親が、私を褒める。
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