君の隣はオレのもの

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君の隣はオレのもの

県立中学3年2組 街ではクリスマスの飾りつけが進む時期。 このクラスの生徒たちは皆、心をざわつかせていた。 『席替え』 卒業まで残り4カ月を切ったこの日、 3年2組では、学校生活最後となる席替えの準備が行われていた。 3年2組の学生は30人。 男子15人、女子15人。 クラスの座席は男女の列で構成されている。 窓側が男子5人の列。 その右隣が女子5人の列。 といったように、 男子の3列と、女子の3列が交互に隣り合う状態だ。 席はくじ引きで決まる。 といっても、くじにどこに座るかが書いてあるわけではない。 くじにかかれているのは1から30までの番号。 生徒は出席番号順(五十音順)にくじを引く。 そして若い番号を引いた者から、好きな席を選んでいく。 10番を引いた者は十番目に、 27番を引いた者は二十七番目に、座席を 選ぶ権利を持つ。 席が決まれば、その席を他の者と変わることは許されない。 それを許せば、クラス内カースト順に席が決まってしまうからだ。 が、何事にも例外があるように 「やむにやまれぬ事情」がある場合のみ、教員の許可を得た上で 席交換が可能な場合もある。
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