4.女子会

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「麻衣の友達の桑畠あきらです」 「谷龍也です」と、龍也も私に続いて挨拶をした。  道行く人の邪魔にならないよう、どちらからともなく端に寄った。 「二人はどこに行くの?」  麻衣が、鶴本くんより一歩前に出て、聞いた。 「電機屋」と、龍也が答えた。 「え!? 一緒に?」 「ん。目的地が一緒だったから」と、今度は私が答えた。 「あ、そうなんだ」 「ついでに、忘年会の店も決めようかと思って」  龍也に言われて、思い出した。  私と龍也が、忘年会の幹事だ。 「そっか!」  麻衣が、変なテンションで言った。 「じゃ、明日ね」と、私から別れを切り出した。 「明日?」と、龍也が聞いた。 「女子会するの。四人で」 「そうなんだ」 「あ、じゃあ、行こうか」と、麻衣が鶴本くんを見上げて言った。  身長が百五十五センチ程の麻衣は、鶴本くんの肩くらいに頭がある。  私と麻衣は別の方向に歩き出そうとしたが、龍也は違った。 「鶴本くん」  龍也が鶴本くんに一歩近づく。龍也が、ほんの数センチ鶴本くんを見下ろした。 「鶴本くんは巨乳好きなの?」  周囲には聞こえない、けれど私たちには聞こえる声で、言った。  龍也が何を言い出すのかと、私までハラハラする。 「それとも、コスプレ好き?」
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