あなたが眠っているうちに

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 「それからあとでプレゼントがあるから。きっとすごくびっくりするよ。」  「本当?楽しみ!」  私達は久しぶりに楽しく食卓を共にした。今日は本当に楽しかった。まだ恋人同士だった頃を思い出す。そう夫は本当は昔から優しかった。仕事の責任が重くなるにつれ、夫はつれなくなっていったのだった。  本当は浮気なんてしてないのかも。私はそうおもった。ただ本当に、仕事が忙しいだけなのかも。最近優しいのは、私が寂しがっていると思っているゆえなのかも。私は、やっぱりちゃんと、この人と添い遂げるべきなのかもしれない。  食事がおわると、夫はうすい長方形の封筒を私に手渡した。    封筒? 「きっと本当に、すごくびっくりするよ」  夫はそう言い残し、キッチンを出ていった。あれ?後片付けはしてくれないの?  不思議に思いながら私は封筒をひらいた。  中に入っていたのは・・・便箋1枚と、離婚届。    便箋にはこうつづられていた。  『ノリちゃん。僕はもうきみと一緒にはいられない。僕の同僚の奥さんが、ノリちゃんが若い男と歩いているのを目撃したんだ。不審に思ってあとをつけたら、ふたりでラブホテルにきえていったとか。僕はその同僚と何度も話し合ったよ。帰宅時間が最近遅かったのはそのせいだ。あと最近僕がきみに優しかったのは、最後の日々を穏やかに過ごしたかったから。でももう限界だ。さようなら。ノリちゃん。』    その瞬間、私は足元から世界が崩れてゆくのを感じた。  
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