炭酸ジュースのアクマ

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キュキュ キュキュ カラン ドポ ドポ ドポ トクトク シュワッ シュワッ シュワッ シュワッ ――炭酸ジュース ぼくはこの炭酸ジュースがきらいだ それはアクマがいるからだ そんなものはいないって? ぼくは知ってるんだ はじめて炭酸ジュースを飲んだとき ぼくはベロやノドをチクチクチクチクと刺されたんだ それが痛くて痛くて ぼくはちょっと泣いちゃったんだ それがくやしくてくやしくて ぼくは何回もこのアクマと戦っている まだ勝てたことはないんだけど きのうの夜 パパが黄色い炭酸ジュースを飲んでいた グイグイグイグイと飲み込んだパパは くるしそうな顔をしながらアクマと戦っていた プハーーーと大きな声をだしたあとパパはニコニコしていた アクマに勝ったんだ! やっぱりパパは強くてカッコイイ! ぼくだってアクマに勝ちたい! ぼくにはまだ勝てないって? ふふふ ぼくにはアクマに勝つためのさくせんがあるんだ アクマはあのシュワシュワの中にいる シュワシュワはほっとくとどこかに行っちゃう それを待つんだ それはアクマと戦っていないって? ふふふ だから言ったでしょ これはアクマに勝つためのさくせんだって ぼくがいろいろな話をしてるのだって アクマがどこかに行くまでの時間をかせぐための だいじなさくせんなんだ シュワッ シュワ シュワ シュ  プチ プチ プチ プチ そろそろ だいじょうかな 両手《でコップをつかんで グイグイグイグイと飲み込む ふふふ ぼくのさくせん勝ちだ ベロもノドもぜんぜん痛くない! ぼくははじめてアクマに勝ったんだ―― チク チク アクマのやつ 今度はぼくの歯を刺してきた
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