2.OLC

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 この場の誰もが同じことを考えていると思う。気づいていないのは、麻衣だけ。 「麻衣。その後輩は麻衣のこといやらしい目で見るのか?」と、大和が聞いた。 「ううん?」 「彼女はいる?」と、さなえが聞く。 「どうだろ」 「高井って奴と食事に行くって聞いて、なんて言った?」と、陸。 「ホテルなんて行くな、って」 「その子、ちゃんと麻衣の目を見て話す?」と、あきら。 「うん」 「仕事振りは?」と私が聞く。 「真面目だよ? ふざけたことを言っていても、仕事に関しては私の言葉をちゃんと聞くし、覚えも早いし、ミスも素直に反省するし」 「カッコいいですか?」と、龍也。 「一般的にモテるタイプだと思うよ? 背が高くて顔小さくて、よく笑うし、話しやすいし、よく周りを見て気が利くし」 「髪、ちょっとくせっ毛で、黒にグレーのラインが入ったバッグ持ってます?」  ん? と思った。みんなが龍也を見る。 「なんで知ってるの?」  さすがに麻衣も気が付いて、聞いた。 「ホテルで麻衣さんを待ってる時、見たんですよね」 「え?」 「俺、麻衣さんが食事に行った時にホテルに迎えに行ったんですけど――」 「麻衣を送ってくれって、俺が頼んだんだよ」と、陸が補足説明する。 「麻衣さんが出てくる直前にその男が出て来たんだよ。やたら慌ててたから、憶えててさ。麻衣さんが俺の車に乗るところも見てた気がするんだよな」
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