3931人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
「年下だけど強引?」と、私はクスッと笑った。
「激しそ」
「やっぱり……そう思う?」と、麻衣が小声で言った。
意外な反応。
実は草食系?
「違うの?」
「わかんない」
「え? いつから付き合ってんの?」
「昨日」
「マジか」
本当に、ビックリだ。
麻衣が年下……。
何となく、麻衣には頼れる年上が合っているような気がしていた。
私の攻めをかわして、麻衣が飲み物を取りに立った。さなえも一緒に。
二人になった隙に、今度はあきらに目を向けた。
「で? どうして麻衣に彼氏が出来たことを知ってたの?」
私が気づかないとでも思っていたのか、それとも、気づいていても何も言わないと思っていたのか。あきらはチラッと私を見て、小さくため息をついた。
私を侮っちゃダメよ。
「昨日、札駅で会ったの」
「ふぅん?」
続きを催促するように、チラリと横目であきらを見る。
「龍也と出掛けた」
「珍し」
恋人みたいに出掛けたりはしない、って言っていたのに。
最初のコメントを投稿しよう!