4.女子会

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「新しいパソコンを買うのに、車出してくれただけ」 「へぇ」  あきらの心境の変化が、嬉しかった。  少しでも、龍也の気持ちに正面から向き合ってもいいと思い始めてくれたなら、いい。 「千尋が思っているようなのじゃないから」  私の考えを、察したらしい。 「思ってるようなのって?」 「千尋!」  戻ってくる麻衣とさなえを見て、私は立ち上がった。 「あ、麻衣たちが戻ってきた。私も持ってくるけど、あきらは?」 「アイスコーヒー」 「はいはい」  あきらに子供が出来ないことを知ったのは、偶然だった。龍也との関係に気づいたのも。  あの時の偶然がなかったら、私は今も知らなかったはずだ。  手術と結婚寸前だった恋人との別れでボロボロだったあきらのそばに、龍也がいてくれて良かった。  あきらが龍也の気持ちを受け入れてくれたらと、願う。 「それで? 鶴本くんもやっぱり大きい方が好きだって?」 「え?」  私はわざとにやにやしながら、麻衣の胸を見つめた。  麻衣がニットを着るのは珍しい。身体のラインが出るから嫌だと、言っていたはず。  彼氏が出来て、気分が明るくなったためなら、いいことだ。 「千尋。顔がエロおやじみたいになってる」と、あきらが冷ややかな目で私を見た。 「ひどっ!」 「いいじゃない。大抵の男は大きい方が好きだろうし? 胸が好き、じゃなくて、胸も好き、なら問題ないよ」  さなえが飲み物と一緒に持って来たゼリーをちゅるんとすすった。 「それに、子供を産んだらしぼんじゃうんだから、綺麗なうちに堪能してもらったらいいよ」
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