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さなえは少し戸惑い、あきらと麻衣は納得の表情。
「じゃ、お先に取りに行くね」
立ち上がったあきらの視線に気づいた。
「私も」と、私も席を立つ。
「帰りが遅くなるって、大和にメッセ送っといた方が良さそうね」
「ん。大斗くんには悪いけど、今日は徹底的に磨かせてもらお」
「ね、千尋」
麻衣が背後に立っていた。
見ると、さなえはテーブルで飲み物を飲んでいる。
「美容室の近くに、ネイル出来るところない?」
「ネイル?」
「うん。さなえ、昔はネイル好きだったじゃない。今は爪が短くても可愛くしてもらえるみたいだし」
「それ、いいね」
当のさなえを置き去りにして、私たちは勝手に美容室の後でネイルの予約も入れた。
大和には、あきらからメッセが届いたはず。なんて返事があったかは、聞かなかった。
「寝室が別なのって、悪いことばっかりじゃないみたいよ?」と、あきらが大皿一杯のスイーツを眺めながら、言った。
さすが、人気のホテルビュッフェなだけあって、スイーツも充実している。
十種類のミニケーキにアイス、ワッフル、ゼリー、プリン、白玉団子にわらび餅、など。
あきらはミニケーキを全種類、麻衣はワッフルにアイスと生クリームとチョコソースをトッピングして、さなえはゼリーとプリンを三つずつ、私はフルーツポンチに白玉を入れて盛って来た。
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