4.女子会

11/15

3935人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
 さなえは少し戸惑い、あきらと麻衣は納得の表情。 「じゃ、お先に取りに行くね」  立ち上がったあきらの視線に気づいた。 「私も」と、私も席を立つ。 「帰りが遅くなるって、大和にメッセ送っといた方が良さそうね」 「ん。大斗くんには悪いけど、今日は徹底的に磨かせてもらお」 「ね、千尋」  麻衣が背後に立っていた。  見ると、さなえはテーブルで飲み物を飲んでいる。 「美容室の近くに、ネイル出来るところない?」 「ネイル?」 「うん。さなえ、昔はネイル好きだったじゃない。今は爪が短くても可愛くしてもらえるみたいだし」 「それ、いいね」  当のさなえを置き去りにして、私たちは勝手に美容室の後でネイルの予約も入れた。  大和には、あきらからメッセが届いたはず。なんて返事があったかは、聞かなかった。 「寝室が別なのって、悪いことばっかりじゃないみたいよ?」と、あきらが大皿一杯のスイーツを眺めながら、言った。  さすが、人気のホテルビュッフェなだけあって、スイーツも充実している。  十種類のミニケーキにアイス、ワッフル、ゼリー、プリン、白玉団子にわらび餅、など。  あきらはミニケーキを全種類、麻衣はワッフルにアイスと生クリームとチョコソースをトッピングして、さなえはゼリーとプリンを三つずつ、私はフルーツポンチに白玉を入れて盛って来た。
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3935人が本棚に入れています
本棚に追加