3935人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
「寝室が一緒ってことは、子供も一緒の場合が多いじゃない? そうすると、さすがに眠ってる子供の隣ではスル気になれなくて、レスが長引くの。けど、子供とは別に部屋があれば、場所の心配はないでしょ?」
「なるほどね」
「さなえの場合は、大斗くんを寝かしつけた後で大和の部屋に行けばいいのよ。いきなりは気まずいだろうから、まずは話があるとか何とか言って、二人きりの時間を作ったら?」
「……」
さなえが難しい顔をする。
「さなえ?」
「最近……、家で二人で話すことなんて滅多になくて……。だから、わざわざ部屋に行ってまで、何を話したらいいかわかんない……」
中学生か、と突っ込みたくなる。
この二人がレスな理由がわからない。
「それに! 大和にソノ気がなかったら? 毎日仕事で疲れてるし、大した用でもないのに押しかけて、迷惑がられたら……」
「そんなこと言ってたら――」
「じゃあ! 大和にソノ気があるってわかったら、頑張れる?」と、麻衣が聞いた。
「大和もさなえとの時間を持ちたいと思ってるのがわかったら、勇気を出して部屋に行く?」
少し考えて、さなえが頷いた。
「けど、そんなことどうやって知るの?」
「龍也か陸から探りを入れてもらう?」と、私が言った。
あきらから龍也に頼めばいいと思った。
「回りくどくない?」と、あきらが言った。
最初のコメントを投稿しよう!