4.女子会

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 じれったくて、少し強めの口調で言ってしまった。 「鶴本くんが……私の匂いのついたものがあったら、いい夢見れそうだって……言ってた……か……ら……」 「例えば?」 「え?」 「鶴本くんに麻衣の服が欲しいって言われたの?」  麻衣が首を振る。 「じゃあ、なに?」 「シー……――」  聞き取れない。 「なに?」 「シーツ!」 「はっ!?」  シーツ……!? 「麻衣のシーツが欲しいって言ったの? そんなん、使い道は――」 「千尋! 声がデカい!」  そばにいた店員にジロリと見られた。他の客には聞こえてないようだ。 「一昨日、鶴本くん家に泊まったの。シてないよ!?」  いや、シてもいいだろうけど……? 「――けど、シーツは洗っちゃダメだって言われて――」 「使うから?」 「――じゃなくて!」 「ああ。『いい夢』を見れそうだから、だっけ?」  麻衣が頷く。  麻衣は顔が真っ赤。  さなえは深く俯いている。  あきらは……。  意外なことに、あきらまで少し照れ臭そうにしている。と思ったら、次は難しい顔。  龍也と似たようなことがあったか……?
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