6.決意

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 ウザがられるくらい入り浸っていたから。  千尋の家は居心地がいい。  口で何と言おうと、ちゃんと俺の分の飯も用意してくれて、セックスの相手もしてくれる。千尋も俺との生活を気に入っているんだと思っていた。  美幸と会うことに無関心を装っていても、本心では嫌がってくれていると思っていた。実際、電話では言ってくれた。 『好きよ。奥さんを抱いたらムスコを再起不能にしてやりたいと思うくらいには』  少々過激な表現だが、要するに、自分以外の女を抱くのは許さない、という千尋なりの嫉妬と独占欲だと、俺は解釈した。  俺のパーカーが布団の中にあったのも、そう思った理由の一つ。  帰る時、俺は確かに自分の箱にパーカーをしまった。出しっ放しにして帰ると、千尋がうるさいから。それが、布団の中で丸まっていた。  俺のパーカーを着たのだろうか。  抱き締めたのだろうか。  どちらにしても、パーカーは柔らかく、皺になっていた。  今頃、また、俺のパーカーを着てたりするのかな……。  本当にそうだろうか。  案外、俺との関係が終わると思って、捨てられてたり……?
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