6.決意

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「ねぇ、比呂」 「んー?」  俺は二つ目のそぼろを食べ終え、一緒に買って来たお茶を飲んだ。 「別れても、いい仕事仲間に戻れるね」  ゴクン、とお茶が音を立てて喉を流れた。 「別れたいのか?」 「比呂が離婚するまで、ってルールでしょう?」  平然と別れを口にする千尋の顔を見ていなくて良かった。違う。俺の、顔を見られていなくて良かった。  きっと、酷い顔をしている。 「離婚が成立したら、自由だよ」  聞きたくない。  千尋の口から別れの言葉なんて、聞きたくない。 「妻からも愛人からも自由に――」 「結婚しよう」  背中合わせでよかった。  きっと、泣きそうな顔をしている。  俺が。 「千尋を、愛してる」  震える声で、けれど、ハッキリと言った。 「結婚したい」 「比呂のこと、好きよ」
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