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私の腕ごと抱き締めていた鶴本くんの腕が解かれ、腕と腰の間から前に伸びてきた。
「けど、途中でやめられなくなりそうなんでしょ?」
「頑張ります」
耳元で囁かれ、ゾクッと寒気がする。
耳朶を咥えられ、舐められ、その水音が鼓膜を叩く。
太腿を撫でる彼の手が、熱い。
優しく、ゆっくりと、足の付け根に向かって動く。けれど、そこにはいかず、脇腹を伝ってTシャツの中へと侵入してきた。
「脱がせていい?」
「え? やだっ」
即答してしまった。
「じゃ、触っていい?」
「え?」
「見せてくれるなら胸は触らない。触っていいなら、見ない」
そう言いながら、うなじにキスをされ、なんだか上手く考えられない。
どう答えるのが正解なのか、わからない。
「どっち?」
「どっちもムリ……」
「じゃあ、違うとこ触っていい?」
私の答えを予想していたように、鶴本くんの手が降下を開始する。
来た道ではなく、お臍の辺りをくすぐりながら、足の付け根に向かう。
思わず、力を込めてお腹を凹ませた。
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