5.濡れない身体

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 沈黙。  背を向けていて良かった。  鶴本くんの反応を真正面から見る勇気はない。  これまでの彼氏たちはみんな、言った。 『こんなにエロい身体してんのに、感度悪りーな』  私に言わせれば、好きでエロい身体になったんじゃない。  それに、胸の大きさに興奮して、力任せに揉まれたり、顔を押し付けられたりして、感じると思う方がどうかと思う。 「全然?」 「え!?」 「全然濡れない?」 「全然……ではないけど……」 「挿れたら痛い?」  私は頷いた。 「一度だけ感じたって男の時は、濡れた?」  もう一度、頷く。 「じゃあ、気持ちの問題かな」  そうなんだろう。  けれど、これまでの彼氏たちも、最初は普通に見えたし、いい印象もあった。優しくて、好きだなと思えた。  それでも、濡れなかった。 「やっぱり、試してみていい?」 「え?」 「本当に濡れないか」 「今!?」 「うん、今」
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