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沈黙。
背を向けていて良かった。
鶴本くんの反応を真正面から見る勇気はない。
これまでの彼氏たちはみんな、言った。
『こんなにエロい身体してんのに、感度悪りーな』
私に言わせれば、好きでエロい身体になったんじゃない。
それに、胸の大きさに興奮して、力任せに揉まれたり、顔を押し付けられたりして、感じると思う方がどうかと思う。
「全然?」
「え!?」
「全然濡れない?」
「全然……ではないけど……」
「挿れたら痛い?」
私は頷いた。
「一度だけ感じたって男の時は、濡れた?」
もう一度、頷く。
「じゃあ、気持ちの問題かな」
そうなんだろう。
けれど、これまでの彼氏たちも、最初は普通に見えたし、いい印象もあった。優しくて、好きだなと思えた。
それでも、濡れなかった。
「やっぱり、試してみていい?」
「え?」
「本当に濡れないか」
「今!?」
「うん、今」
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