復讐を誓った男の行動

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 男が知ったのは、娘が海に身を投げてからだ。男が仕事をしている最中の出来事だ。  そして、身体が弱かった妻が娘の自殺を知って・・・。翌日に自分で、自分の人生の幕引きを行った。  男は、いじめで宝物だった娘と最愛の妻を失った。  男は、止める周りの言葉を無視して翌日から業務に戻った。心に決めた事がある。誰にも話していない、誰にも相談していない事だ。  それから、男は1人で過ごしている。死ぬことを考えた、しかし死ぬのを辞めた。辞めたと言うのは間違っている。男は、ある事を心に決めているのだ。それから、電車の時刻と利用者数を書き始めた。そして、時々利用者数の数字を4色で印を付けている。数字を○で囲んでいる。  1日1枚のメモ用紙を使って、娘が修学旅行で買ってきた唯一の形見であるペンを使って、時刻と電車と利用者数と丸印を付けている。  男が、メモ用紙にメモを作り始めて、7年。娘が本来なら高校を卒業する年になっていた。  毎日付けていたメモも溜まっている。  男は、終電が出ていくまで同じことを繰り返す。時間帯によっては、利用者の人数が数えられない事もある。その場合には、自動改札のデータを見る事にしている。  そして、利用者が減っている事が解っている。     
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