第二章 その瞬間から

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 とりあえず、下校前の不吉な出来事は終わった。  君香と警護役の友達たちは、そのまま校門を出て家路につく。  駅までの間、みんなと雑談しながら歩く君香。  そんな中、ふいに君香はあの時のことを思い出した。  そう言えば。ベビーカーを押す、あの女性と激突した瞬間。  スマホに着信していた、柳真純からのメール。  中身の内容は、いったい何だったのだろう?  あの時に使用していたスマホは、事故の証拠品として警察に押収されてしまったため、あれからメールの確認はもちろん、触れることも許されなかった。今でも、警察の証拠品保管庫の中に置いてあるはずである。だから、あの時に読もうとしていた真純からのメールが何だったのか、結局、分からずじまいだ。
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