第二章 その瞬間から

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 わざわざ訊くほどのことでもないし、今さら訊くのも変だ。  なんだか、事故の責任の一端を真純のせいにしようとしている、と思われそうである。 あの事故は自分の不注意のせいだ、と君香はちゃんと分かっている。  他人のせいにする気はない。けど、訊かれた真純はそうは思わないだろう。  なので、君香はまだ、あの時の真純のメールが何の用だったのか。  今でも気になるが、分からないままであった。  もっとも、内容を知ったところで、時間を元に戻すことはできないし。  起こった出来事を消すことも、できないのだが。
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