走馬灯

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走馬灯

急にまともに呼吸が出来ない。腹に違和感を感じて、正面に視線を移すと目前に闇を抱えているような目があり、整理できなく困っているとドスの利いた低い声で 「存在を気づかれると俺がーー」  と述べている。  しかし、聞き終えることができず倒れてしまう俺。  今までの人生が走馬灯のように頭に浮かんでくる。  家のリビングで母親と口ゲンカしている姿、学校でクラスメートにいじめられる姿、唯一の友人に別れを告げられた日の姿ーーと。  俺は死ぬんだー。まあ、いいか、生きててもゴミ同然の生活になるから。  息が絶え、ベンチからドスンという鈍い音をたて身体から落ちる。どろどろとした赤い血が砂に染みていく。
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