となりの犬とぼく

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   となりんちには僕とおなじ年の姉と、僕の弟と同じ年の妹が住んでいた。  だけど、同じ年だけど、あまり話したことはなかった。  同じ幼稚園でもなかったし、姉妹は小学校から私立に通っていて、当然僕は普通の公立で、なんか全然関係がなかった。ママ同士はでも、顔を合わせればおしゃべりはしてるみたいだったけど。 「無視されてるってわけじゃないんだけどな…」  姉妹の姉は、おっとり穏やかそうなタイプで、天気のいい日に庭先で本を読んでいるのを見たことがある。  妹は活発なタイプなのか、サッカーボールを蹴って壁に当てて遊んでいるのを、いつだったか見た気がする。  僕が知ってることといえば、それぐらいだった。  ちなみに僕は、家にいる時はゲームをやったり漫画描いたりだけど、こう見えてサッカーのクラブチームに所属してる。ポジションはディフェンス。レベルはまあ、それなり。  そんなとなりんちの庭に、ある日、犬があらわれたんだ。  それもでかい犬だった。
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