となりの犬とぼく

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「え? ああ、そうだよ。これは父さんの」 「素晴らしい!」  目の前の子ブタに飛びかかろうとするオオカミみたい…と僕はちょっと思った。 「なあ兄ちゃん、こっちに来てそれを俺に着させちゃくれないかい?」  ジョンは前足を上手に使ってドックランの入り口の門の内掛けをはずし、うきうきと僕を中へ招き入れた。 「うれしいじゃねぇか。この俺がボギーのようにトレンチを着る日がくるなんてよぉ。こんな日を夢見て俺は、毎日歩行練習をしていたんだ」  僕はあの日の、玄関先でひょこひょこと何かをしていた、ジョンらしい影を思い出した。 「あれって歩く練習だったの?」  そして待望のコートを着せてあげた。 「ジョンはずいぶんと大きいなぁ」  もふもふのジョンの身体に、僕はこのとき初めて触った。 「ありがとな兄ちゃん」 「僕の名前はリュウだよ」 「リュウ、これが美しい友情の始まりさね」  あ、これも映画のセリフだ、と僕は気づいた。
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