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かすりが勤める会社は家族経営の会社だけあって、みんな優しくて面倒見がいい。
だから職場の上司というよりは、お父さんお母さん、お兄さんお姉さん、それからおじいちゃんのような存在だったりする。
かすりと莉子は急いでかすりの車に乗り込んで『ベル』ヘ着くと、お財布片手に店内へ駆け込んだ。
店内の混みようはそこそこ。
これなら時間内に会社に戻れる。
一息ついてテーブルに着くと、メニューを眺めた。
かすりがボロネーゼのパスタとアイスコーヒーを、莉子が蟹クリームパスタとアイスティー、デザートは二人共クレームブリュレを注文した。
「混んでなくて良かったね。」
莉子はレモンの香りがする水を口に運びながら言った。
「そうですね。
これなら時間までに戻れますね。」
時間にうるさいわけではないけど、だからといって時間に遅れるのはやっぱり気になる。
それぞれの社員がちゃんと常識的な行動をしているから和気あいあい、楽しく仕事ができるのだとかすりは思っている。
テーブルに運ばれたパスタを2人は少しずつ分け合って味見をするのが楽しみだった。
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