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かすりの祖母の家では急な来客や人が集まる時にてんぷらとうどんを作る。
それは人数の融通がきく事と、家にある野菜である程度作れるので急な場合にも対応できる事が理由らしい。
昔はうどんも自分で作っていたらしいから尚更だろう。
以前に祖母が打ったうどんを食べたらとても良い美味しかったので、かすりは祖母のうどんは好きだった。
「最近、職場で何人かの人と月に一回一緒にカレーを食べるカレーの会を始めたんです。」
「へえー。
どこかに食べに行くの?」
「いえ、お昼に私が作ったカレーをみんなで食べるんです。
ご飯はそれぞれ自分で用意して、サラダを持ってきてくれる人と、デザートを持ってきてくれる人と、洗い物をしてくれる人に役割分担してやってるんです。」
「面白いね。
かすりのカレーなら美味しいだろうからみんな喜ぶでしょ?」
「美味しいかはわからないですけど、カレーが好きみたいなんで喜んでくれました。」
「そうかい。
ちゃんと馴染めてるんだね。
良かったよ。」
祖母はしみじみと言った。
「この間私のご飯を少し食べた人がご飯が美味しいって言ってくれたんです。
だからお母さんのパパとママが作ってくれてるからって言ったんですよ。」
「そう。
美味しいって言ってもらえると嬉しいね。
もし会社の人も食べるんなら沢山持っていきな。」
祖母は本当に嬉しそうにそう言った。
「はい。
ありがとうございます。」
かすりの祖父も喋りはしないけど嬉しそうだ。
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