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明日は仕事だからと、かすりは午前中にアパートに帰ってきた。
帰ってすぐに筍のアク抜きをする。
貰ってきた糠と一緒に皮を剥かずに縦に半分に割っただけの筍を大きな鍋で茹でると、そのまま夜まで放置した。
茹で上がった筍を3つに分けて、筍ご飯、みがき鰊と筍を炊いたもの、筍の混ぜご飯の3種類の料理を作ることにした。
筍ご飯と混ぜご飯は同じ様だけど、似て非なるものとかすりは考えている。
筍ご飯は筍を煮た汁でご飯を炊くので、ご飯に筍の風味と醤油や出汁なのどの味も染み込んで、それでいてさっぱり食べられる。
筍の混ぜご飯はかすりの場合、筍や油揚げ白滝などを軽く油で炒めたあとに煮て、酢を切ったご飯に混ぜる。
その時、煮汁も少し入るので、ご飯を固めに炊いても筍ご飯よりは少し水っぽい食感になる。
だけどかすりはどっちかというと混ぜご飯のほうが好きだ。
ただ、お弁当に入れるとなると混ぜご飯よりは炊き込みご飯のほうが傷まないような気がして、いつもその両方を作る事になる。
筍ご飯は白滝が入っていないから冷凍できる。
だから今日はは混ぜご飯を食べることにした。
お酢と砂糖、少しの塩と醤油で合わせ酢を作ると、炊きあがったご飯に合わせ酢を混ぜ、粗熱を取ってからさっき作った混ぜご飯の素を入れてざっくりと混ぜる。
グリルでちょうど焼き上がった鮭と、筍と身欠きにしんの煮物、筍の姫皮の味噌汁が今日のかすりの晩御飯だ。
出来上がった料理をテーブルに並べると、そのまま食べるのが勿体なくて写真を撮ってみる。
ご飯を食べ終わって片付けをしていると、スマホが鳴った。
五十嵐がLINEにもの凄い量の肉の写真をUPしている。
「うっわー。」
そう言いながら笑って『イイね』を押すと、次は莉子が居酒屋と思われるつまみやお酒の写真をUPする。
「明日仕事なのに?」
それじゃ私もと、かすりはさっき撮った夕食の写真を載せる。
すかさずみんなから『イイね』が届いて、最後に阿部が写真を載せてきた。
まだ封がしてあるカップ麺の上にコンビニのおにぎりが乗った写真。
「やっぱり阿部さんはオチだわ。」
かすりは笑いながらスマホを置いて食器を洗い始めた。
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