キラキラバナナパフェ

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「そうだ。 かすりちゃん、明日の夜って何か予定ある?」 阿部が突然そう聞いた。 「明日ですか? 特別ないですけど……、どうしてですか?」 「明日お弁当のお礼のご飯食べに行こうよ。」 「えっ? あれってお昼じゃないんですか?」 「お昼でもいいけど、昼休み行って戻って来られるところってなると限られてるでしょ? 折角だからちょっと違うところ行こうよ。」 「でも夜の方が高そう。」 「月に一回だから気にしないでいいよ。」 「この際思いっきり高いのご馳走してもらいなよ。」 莉子がかすりを焚きつける。 「そう……ですね。 じゃあお言葉に甘えて……。」 かすりはわざと不敵な笑みを作ってみせた。 「なんか怖いな……。 だけど何か食べたいものがあったら言って。」 「うーん。 私あまり外食しないからよくわからないんですよね……。」 「じゃあ俺が決めちゃってもいい?」 「はい。 お願いします。 あ、ドレスコードがあるお店は前もって言ってくださいね。」 「わかった。 ドレスコードがジャージとかジーパンの店探しとくよ。」 楽しそうな会話の横で、五十嵐が 「いいな……。」 とつぶやいた。 「イガはだめー。」 「わかってますよ。」 わかっていると言いつつも悲しげな声にかすりも莉子も笑った。
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