キラキラバナナパフェ

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会社から15分くらい車で走って、着いたところは昔ながらの洋食屋さん。 レンガづくりの建物からオレンジ色の柔らかな光が漏れている。 かすりは大通りから少し入ったところにあるこのお店の小さな看板を見たことはあったけど、実際にお店に来たことはなかった。 「着いたよ。」 そう言われてシートベルトを外すと、阿部の後からお店に入る。 中に入ると50代位の人の良さそうな女性が迎えてくれる。 「阿部さん。 いらっしゃい。」 「ママ、こんばんは。」 かすりも阿部に合わせてペコリと頭を下げる。 「あら、阿部さんが女の子連れてくるなんて珍しいんじゃない?」 「そうだね。 この子は会社の新入社員なんだ。」 「そう。 じゃあ嫌われないようにしなきゃね。 彼女なら嫌われても別れればいいけど、会社で女の子に嫌われたら目も当てられないわよ。」 「ハハハ、そうだね。 気をつけるよ。 こっちの席いい?」 「どうぞ。」 阿部は客もまばらな店内の一番奥の窓際の席を選んだ。 「この店、雰囲気いいでしょ?」 「はい。」 「料理も一流レストランっていうよりは、料理上手なお母さんが作ってる感じで好きなんだ。」 ママが水とおしぼり、メニューをテーブルに置いてくれる。 「お嬢さん、お名前は?」 「北原かすりです。」 「かすりさん? 素敵な名前ね。 でもかすりさんじゃ硬いかしら……。 うん、かすりちゃんね。 かすりちゃんって呼んでもいい?」 ママは一人で勝手に話を進めてる。 「はい、よろしくお願いします。」 かすりはニコリと微笑んだ。
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