嬉し恥ずかし結婚式(エリオット)

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嬉し恥ずかし結婚式(エリオット)

 十一月の始め、エリオットは朝から城の奥にある一室で着せ替え人形状態になっていた。 「ほら、エリオットさんこちらを見て」 「やっぱり少しお化粧してはいかが、エリオットさん」 「あの、化粧はちょっと……」  仕立てられた綺麗なタキシードにドキドキしながら袖を通したエリオットは、オスカルの母ステイシーと義妹オーレリアを前にタジタジの状態だ。  それというのも、今日はエリオットとオスカルの結婚式が執り行われる。外部からは両家が。他は騎士団のメンバーで親しい人が参列してくれる。そればかりか、カールまでひっそり混じると言うのだ。  オスカルが「こだわりたい!」といった指輪もできあがり、両家の顔合わせもした。意外と和やかな食事会で、堅苦しくはなく気楽に話をする様子にほっとした。  当日の衣装は縫製業を生業とするオスカルの家がお祝いにと言ってくれた。今エリオットが着ているタキシードがそれだ。  「花嫁は白!」というオスカルの希望もあり、ジャケットは綺麗な白一色。けれど形には拘ったみたいで、腰の辺りがスッキリとしたシルエットになるように作られている。     
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