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やがて奥深くにオスカルを感じたまま、共に果てた。
息が苦しくてたまらないのに、それでもキスをしたい。怠くて動けないけれど思ってしまう。そうした思いは通じるのか、はたまた同じ事を願っていたのか、オスカルの方からキスをくれる。互いに息は切れているけれど、それがまた愛しい。
「なんか……、全然スマートじゃなかったな」
「え?」
「結婚初夜だから、もっと余裕見せて格好よくエスコートしたかったのに」
濡れた瞳のまま、そんな事を言うオスカルを見上げて、エリオットは笑ってしまった。そして腕を伸ばして抱き寄せて、ちょんと額にキスをした。
「こういうのも、好きですよ」
「エリオット、煽るんだもん。理性切れちゃった」
「私も男なんで、一方的にされっぱなしは嫌ですよ」
これからはもっと対等に、もっと同じ場所で。
そんな思いで口にした言葉を受け入れたのか、オスカルは「仕方ないね」と笑って言う。そうしてお互い抱き合って、幸せに笑っていた。
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