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「何にしても、彼らの事情を聞いてからだね。最悪、グリフィスには少しの間王都を離れてもらおうか」
「そうですね。望まぬ争いに巻き込まれるのは辛いでしょう。彼も、彼の恋人も」
「でもとりあえず、この話はここまで。さぁ、今日から僕達の部屋だよ」
気付けばオスカルの部屋の前。エリオットの部屋は返却し、今日からオスカルと同じ部屋を使う。それは少しドキドキすることだった。
部屋を開けると二人で選んだ家具がちゃんと配置されている。けれど一つ、見慣れないものがドンと部屋に鎮座していた。
「あの、これ……」
「あぁ、うん。皆からの結婚祝い。クイーンサイズベッド」
ベッドがあった場所に大きく存在感の強い広々としたベッドがある。ちゃんと部屋の色調にあったカバーや寝具をかけられている。
でも……ちょっと下世話だ!
「ほら、僕達であれこれ揃えちゃったからさ」
「ベッドは今までのでもいいかって、言ってたんじゃ」
「あぁ、うん。実は贈りたいから買うなって、シウスに言われてたんだよね」
種明かしをするオスカルの都合の悪そうな顔。隠し事がバレた時の子供の顔だ。
近づいて、腰を下ろしてみる。スプリングがよく、しっかりと体を受け止めてくれる。寝心地も良さそうだ。
「私とオスカルで寝ても、広々としていますね」
「うん、そうだよね!」
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